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「迷う」と「悩む」は違います。クリエイターが知っておくべき、決断の作法

専門学校で学生を教えていると、こんな言葉をよく聞きます。

「どうすればいいか、わからなくて……」

この言葉、もう少し掘り下げて聞くと、大きく2つのパターンに分かれます。「複数の選択肢があって、どちらにするか迷っている」か、「そもそも何をすればいいかわからなくて止まっている」か。

この2つは、まったく別の状態です。そして対処法も、まったく違います。



「迷う」と「悩む」は別物です

僕が学生によく言うのは、「迷っているのはいい。

でも、悩んではダメだ」ということです。

  • 迷う = 複数の選択肢があって、どちらが良いか比較している状態

  • 悩む = 何をすればいいかわからず、手が止まっている状態

迷いは、真剣に考えている証拠です。選択肢がある中で「どちらがより届くか、より伝わるか」を問い続けること——それ自体がクリエイティブなプロセスです。

一方、悩みは知識か経験の不足からきています。

手段がわからないなら、誰かに聞けばいい。仮でもいいから動いてみればいい。悩んでいる時間そのものは、何も生み出しません。

「今自分は迷っているのか、悩んでいるのか」——この問いを持つだけで、次の行動が見えてきます。



迷いは「考えている証拠」です

クリエイティブの現場で迷いがまったくない人は、

おそらく本気で考えていないか、自分の殻の中にいるだけです。

表現に唯一の正解はありません。構図、色、タイミング、ストーリー

すべては無数の選択肢の中から「最も適したもの」を選ぶ連続です。

だから、迷っていることを責める必要はありません。

むしろ、迷っているということは、自分と、相手と、社会ときちんと対話できているということです。



「決める」とは、他を捨てることです

「これでいこう」と決めるとき、実は迷いの正体がはっきりします。それは「他の案を手放すことへの怖さ」です。

選ぶということは、同時に何かを諦めることです。でも、その覚悟なしに良い仕事はできません。

クリエイターは常に「選び続ける人」だと思っています。一つひとつの決断に責任を持つこと——それがプロフェッショナルということです。

完璧な答えを求めすぎず、納期の中で「ベター」を探す。決めたあとは振り返らない。後悔に使う時間は、次の選択に使った方がずっと価値があります。



迷いとともに進むためのマインドセット

迷いと上手に付き合うために、意識していることがいくつかあります。

「誰のための表現か」に立ち返ること迷ったとき、一番効くのはこの問いです。

自分の好みや技術的なこだわりではなく、「これは誰に届けるために作っているのか」。

その視点に戻ると、判断軸がシンプルになります。

完璧主義を手放すこと「今の自分のベスト」を出すことが仕事です。理想の100点を待っていると、何も出せないまま終わります。

決断を「経験値」として信じること良い決断も悪い決断も、すべて次の判断を精度を上げてくれます。迷いながら決め続けることが、クリエイターとしての筋肉を育てていきます。



迷いながらも、一つずつ出していくこと

表現の世界で迷わない人はいません。迷いながらも作品を一つずつ世に出し、修正して、また次へ向かう——その繰り返しの中にしか、成長はありません。

学生のポートフォリオを見ていても、迷いながら作られた作品の方が、深みがあることが多いです。迷いは弱さではなく、真剣さの表れです。

「迷っていること」を恥ずかしがらずに、そのまま前進してください。その迷いの時間が、あなたの表現をより豊かにしてくれます。



まとめ

迷うことと悩むことは、まったく別の状態です。

迷っているなら、それはちゃんと考えている証拠です。比較して、問い続けて、覚悟を持って選ぶ——その繰り返しがクリエイターとしての決断力を育てていきます。

悩んでいるなら、動いてみてください。知識が足りないなら聞く。経験が足りないなら仮でもいいからやってみる。止まっている時間だけが、唯一の無駄です。



この記事を書いた人:蔡本英賛

株式会社リキッドブロック 代表取締役 / 専門学校講師神戸でCG・モーショングラフィックスの制作を手がけながら、映像概論・After Effects・ポートフォリオ制作を教えています。→ リキッドブロックについてはこちら

 
 
 

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株式会社Liquid Blockはデザイン主導の映像デザインスタジオです。

モーショングラフィックス、ミュージックビデオ、イラスト、3DCG、2DCG、アニメーションなど、様々に創造的分野でデザインしていきます。

​学習を続け、チームワークによる多面的なアプローチで問題に取り組むことが、理念です。

会社情報

〒651-0082

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